夏前にエアコン回したら体調が崩れたので、自宅のエアコンを自力で洗った話
つけたら喉がイガイガしてきた
ゴールデンウィーク半ば、急に気温が上がってきて、半年ぶりぐらいにリビングのエアコンの冷房をつけました。
そうしたら、しばらくして喉がイガイガしてくる。なんだか頭も重いし、体がだるい。最初は季節の変わり目で風邪でもひいたかな、と思ってたんですが、翌日また同じようにつけてみたら、また喉に来る。
これは完全に中のカビを吸ってるパターンだな、と。半年放置していた我が家のエアコンの中で、カビが大繁殖していたみたいです。
業者に頼むか、自分でやるか — 一瞬迷ったけど冒険してみることに
最初に頭をよぎったのは「業者さん呼ぶか」でした。
エアコンクリーニングは1台あたり1万円前後ぐらいから頼める相場感で、これでカビが一掃されるなら、それが一番ラクで確実です。本音を言えば、人にすすめるなら間違いなく業者さんの方なんですが、その一方で YouTube を眺めると、個人で高圧洗浄機を使ってエアコンを洗っている動画もちらほら出てきます。
「これ自分でやってみたら面白そうだな」「ダメだったら結局業者に頼めばいいか」という、半分好奇心みたいな気持ちが勝って、いったん自分でやってみる方向に倒しました。なので推奨というより、「ちょっと冒険してみたかった人の記録」 として読んでもらえればと思います。
5/5、まずカバーだけ外して中を覗いた
道具を揃える前に、まずは中がどのぐらいになっているのか自分の目で見ようと思って、5/5 のうちにエアコンの前面パネルとフィルターだけ外してみました。
これがなかなかのもの。
写真だと色味がやさしく見えるんですが、肉眼で覗き込むと、フィンの上面はうっすら毛布をかぶったみたいに埃が積もっていて、奥の方は黒くカビっぽいものが点在しています。
吹き出し口の方も、フラップ(風向きを変える羽根)の裏側に黒いポツポツ。
フィンの一部もアップで撮ってみたら、想像通りのありさま。
「これは喉もやられるわ」と納得しつつ、その日のうちに必要な道具をネットでひと通り注文しました。
揃えた道具
YouTube の何本かを見て、共通して使われていたものをひと通り揃えました。

- マスカー (養生シートと養生テープが一体になっているやつ)
- 養生テープ (細かい部分の補強用)
- 高圧洗浄機 (屋外用のもの。写真の機種を選びました)
- エアコン洗浄用カバー (壁掛け用、排水ホース付きのもの)
- エアコン洗浄用の洗剤 (1種類。フィン側もファン側もこれで通す)
- タオル / ウェス (電装部の養生に使う。家にあるもので OK)
- 使い捨ての手袋・マスク
それぞれ実際に使ったものを置いておきます (※アフィリエイトリンクを含みます)。タオル / ウェスは家にあるものを使ったので、ここではリンクなしです。
マスカーは今回ホームセンターで調達しましたが、Amazon でも同種のものが手に入ります。
養生テープも同じくホームセンターで買いましたが、同等品はネット通販でも揃います。
今回買った高圧洗浄機。コードレスで本体は扱いやすかったんですが、ノズルが長くて室内のエアコン作業には取り回しが難しかったです (これは後でもう一度触れます)。
エアコン洗浄カバーは壁掛け用の業務仕様。排水ホースが付いていて、水を一方向に集められるタイプを選びました。
洗浄剤は20倍まで希釈できるプロ仕様のもの。1本あればフィン側もファン側も同じ液で通せます。
ゴーグルは今回用意しなかったんですが、洗浄液や黒い水しぶきが顔のあたりまで飛ぶことを考えると、ゴーグルはあった方がいいです。今思えば普通に必要でした。
高圧洗浄機については、機種選びをそんなに真面目にやらず、通販で目についた激安のものをとりあえず買った結果、買ってから気づいたんですがノズルが長くて室内のエアコン作業には取り回しが悪かったです。狭い壁際でノズルを振り回すスペースがなくて、無理な姿勢になりがち。なんとかなりはしましたが、屋内のエアコン洗浄が主目的なら、もう少しちゃんとレビューを見て、取り回しの効くショートノズルやハンディタイプを選んだ方が良かったな、というのが率直な反省です。
たとえば、こういう ヘッドが小型な機種なら、室内のエアコン洗浄でも取り回しに困らなかったはずだなと思っています。
それともう一つ、本来であればエアコン専用の洗浄ノズルを使うのが正解です。長くて細いノズルが本体の奥や、ファンの裏側まで届く作りになっているので、ここまで組めば仕上がりはもう一段上がるはずです。私は今回そこまでは手が回りませんでした。値段はそれなりにするので、複数台ある人や、繰り返し自分で洗いたい人向けの投資、という感じです (もう少し安いものもあるので、用途に合わせて頑張って探してみてください)。
5/6、本番作業
ここからが本番です。
事前に強調しておきますが、この作業は完全に自己責任です。電装部に水がかかれば普通に故障しますし、配線まわりを傷めれば最悪火災のリスクもあります。やるなら必ず YouTube などで業者さんが解説している動画を複数本、ちゃんと最後まで通して見てください。手順だけでなく、どこをどう守るか、危険な兆候はどれか、というところを頭に入れたうえで取りかかる前提です。それと、後述しますがお掃除機能付きエアコンは素人が手を出していいタイプの機械ではないので、その場合は迷わず業者にお願いしてください。
そのうえで、私がやった流れはこんな感じでした。所要時間は完全に組み上げるまでで2時間ぐらい。
1. 電源を抜いて、コンセント周りをしっかり養生する
最初に必ずコンセントを抜きます。これは絶対。
その後、エアコン本体の上のカバーを外して、内部の電装部分(基板が入っている箱)に絶対に水がかからないように、マスカーと養生テープで二重に覆います。ここをサボると本気で壊れるので、一番神経を使うところです。
2. 壁・床・周辺家具を養生する
エアコン本体の下と、左右の壁にマスカーを広げます。最初からそれなりに広く取ったつもりだったんですが、いざ作業を始めると 思ったより斜め下や横方向に水しぶきが飛ぶので、若干足りませんでした。初心者は「ちょっと広すぎかな?」と思うぐらいで丁度いい、というのが実感です。
3. エアコン洗浄用カバーを装着する
本体にカバーをぐるっと巻き付けて、上の縁をしっかり壁に密着させます。ここの密着が甘いと、洗浄液がカバーの内側ではなく外側に流れ落ちてしまうので大事なポイント。
排水ホースの先は、フタ付きのゴミ箱に厚手のゴミ袋を二重にしてセットしたものに突っ込みました。バケツが家に1つしかなく、それは洗剤の希釈やすすぎ用に取っておきたかったので、廃液受けは最初からゴミ箱で行く想定です。袋ごと縛って捨てられるので、結果的にこれが一番ラクでした。
4. 取り外したパーツは風呂場で並行洗い
このあと本体に洗剤をかけて「なじませる」時間が出てくるので、その待ち時間に取り外した前面パネルやフィルターを風呂場に持ち込んで、シャワーで流しながら歯ブラシでゴシゴシやってました。
外せるパーツは外してしまった方が、どうせ室内では狭くて手が回らないので、思い切って風呂場まで運んでしまうのが結果的に効率良かったです (この工程の写真は撮ってませんでした)。
5. 洗浄剤を本体にかける
本体側の冷却フィンとファンに洗浄剤を吹き付けます。
最初はスプレーボトルに洗剤を希釈したものを入れて、シュッシュッと噴霧していたんですが、フィンの隙間に全然入っていく感じがしない。表面でちょっと泡立つだけで、奥のファン側まで届いている気配がありませんでした。
なのでやり方を切り替えて、バケツに洗剤を希釈した液を3〜4Lぐらい用意して、それを高圧洗浄機の吸い込みに繋いで吹き付ける方向に変えました。これだと圧で奥まで洗剤が届くので、いきなり黒い液体がじわじわ垂れ始めて、「これだ」となりました。
15分ぐらい放置して、汚れが浮いてくるのを待ちます。
6. バケツの中身を水に入れ替えてすすぐ
待ち時間が終わったら、さっきまで洗剤液を入れていたバケツを一度水で洗い、今度はすすぎ用の水を入れて、また高圧洗浄機で本体に吹きかけてすすぎます。
すすぎ始めた瞬間、カバーの排水ホースから真っ黒な水がドバッと出ます。半年でこんなになるのか、と覗き込んで二度見しました。
何度かバケツの水を入れ替えて、最終的に出てくる水がだいぶ薄い色になるまで繰り返します。
7. 乾燥
すすぎが終わったらカバーを外して、養生もはがします。本体内部はタオルで軽く水気を拭き取って、外したパーツを戻して、しばらく送風モードで運転して内部を乾燥させます。
エアコンを稼働させて1〜2時間ぐらいで、内部はだいたい乾いた状態になりました。
電源を入れる前に、電装部の養生がきちんと水を防いでくれていたか、目視で確認するのも大事です。
仕上がり — 業者を10とすると、体感8ぐらい
結論から言うと、見た目もにおいも明らかに良くなりました。

内部側もこんな感じで、フィンとファンまわりがだいぶ清潔な見た目になりました。

- 送風口から出てくる風のにおいが、ほぼ無臭になった
- エアコンの効きが良くなった気がする
- 何より、つけても喉がイガイガしない
ただ、「業者と完全に同じか」と言われると、たぶん違います。自分のなかでは 業者を10としたら、体感8ぐらい という感覚です。
8止まりだなと思うところはこのあたり:
- 本体を分解はしていないので、本当に奥の方の汚れは取れていない可能性がある
- ファンの裏側まで完全には届いていない気がする (高圧洗浄機を当てる角度に限界がある)
- 電装部周辺は怖くて水を当てきれないので、その近辺は雑巾拭き程度
- 外したパーツ(前面パネル・フィルター類)の洗浄もそこまで力を入れきれなかった。風呂場でシャワーと歯ブラシでやるのがやっとで、体力的にもここで一段落させてしまった
業者さんはそもそも本体を外して水洗いするケースもあるそうで、そこまでやれば10になるんでしょうけど、自宅のリビングで個人がやる範囲としては、8まで持っていけたら御の字かなと感じています。
やる前に知っておきたかったポイント
実際にやってみて、事前に知っておきたかったなと思った点をいくつか。
養生は想定より広めに。水しぶきは斜め下にも飛ぶので、エアコン真下だけでなく左右の壁と床も広めに守った方がいいです。
電装部の養生に一番時間をかける。ここを失敗すると一発で壊れます。マスカーで覆ってから、さらに養生テープで隙間を潰すぐらいで丁度いい。
ゴーグルは買っておく。やる前は「そこまで要る?」と思っていましたが、実際には黒い水しぶきが顔のあたりまで飛ぶので、目を守る道具は必要です。
スプレーで洗剤をシュッシュするだけだと届かない。最初はそれでやろうとしてうまくいかず、結局バケツに希釈液を作って高圧洗浄機で吹きかける方式に切り替えました。最初からこの方式で組んだ方が早いです。
どっちが正解か — 物好き向けの選択肢、というのが本当のところ
ここまで書いておいて何ですが、正直なところ、よほど物好きじゃなければ業者さんに任せたほうがいいと思っています。
時間も体力も使うし、養生や電装の保護は神経を使うし、何より失敗したときに自腹で買い替え、ということになるリスクを背負っての作業です。コスパだけ見れば、自分でやって浮くお金と、それにかかる手間と精神的な負担を比べると、業者さんの方が割が合うことの方が多いと思います。
それでも自分でやってみたい、という人にとっては、悪くない選択肢だとも思います。今回かかった道具代は合計で1万円もいかないぐらいだったので、初期投資としても重くはないですし、何より「中身がどうなっていて、どう洗えばどう変わるのか」を自分の手で確かめられたのは、純粋に面白い体験でした。
ただ、繰り返しになりますが、お掃除機能付きエアコンだけは絶対に素人が手を出さないでください。前面パネルを外そうとした時点で電子基板に繋がっている配線をいくつも外す必要があったり、戻すときに配線の取り回しを間違えると普通に壊れる構造になっていたりするので、ここは「DIYでなんとかなる」レンジを完全に超えています。お掃除機能付きの場合は、迷わず信頼できる業者さんにお願いしてください。
いずれにせよ、やる/やらないを決める前に YouTube で業者さんの解説動画をいくつか見ておくのはおすすめです。手順を見るだけでも「これ自分には無理だな」「これならできそう」の判断がつきますし、業者にお願いするときに「どのぐらい丁寧にやってくれる人か」を見極める目も少し養われます。